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入野谷在来種

2022.2.1

そば在来種

「そば在来種」というものをご存じでしょうか。

その地で昔から育てられていた固有種のそばの種(しゅ)のことを指しますが、在来種は収穫量が少なかったり、風に倒れやすいという短所もあったため品種改良がなされることに。伊那にも昔は在来種があったものの次第に収穫量の多い「信濃一号(しなのいちごう)」に切り替わってゆく一方で、在来種は忘れ去られ失われていきました。

でも地元のお年寄り衆が言うのです。「昔のそばはもっと小粒で味が濃かった」「風味が強く旨かったんだに」と・・・。

幻のそば復活へ

そんな昔のそばを復活できないものか。
平成21年(2009)頃より本格的に在来種の種を探しはじめるのものの「信濃一号」に切り替わってすでに数十年。どこに行っても、だれに尋ねても「残っていない」と返される日々。
「もうだめか」となかば諦めかけた平成24年(2012)
信州大学教授の故氏原曄夫先生の研究室に「高遠在来」「長谷在来」と書かれたそばの種の入った小さな袋があることがわかり「在来種復活」の夢が再び熱をおびて語られるように。

たった6粒のそばの種

そしてその2年後 平成26年(2014)。仲間のひとりが長野県野菜花き試験場に在来種の種が保管されているらしい、との情報を文献から見つけ、実際に訪れてみると[高遠入野谷「浦」]と書かれた種を発見。わずか20gの小粒の種でした。
その後、長野県野菜花き試験場の研究員である丸山氏のご尽力のおかげで奇跡的に6粒が発芽。
たった6粒からはじまったこの取り組みは、在来種復活にかける関係者の熱い思いをのせて大きく動き出しました。

はじめての種まき

伊那市長谷の浦地区に専用の圃場をつくり、栽培が始まったのはプロジェクト開始から3年目の平成28年(2016)。
100gの種から秋には約18㎏が収穫でき試食会も実施。
その風味は非常に強く、香ばしいナッツのような香りのする、今まで食べたことのないおいしいそば。奇跡の復活を遂げたそばは期待以上の美味しいそばでした。

販売へむけて

プロジェクト5年目の平成30年(2018)には杉島地区に圃場を確保。今後の販売につなげるための「種取り場」として拡大化を実現。
そして6年目の令和元年(2019)。柏木地区に、販売用に新たな圃場を拡大し出荷に向け準備が整い、500キログラム超の収穫がかないました。

幻の味をみなさまへ

そしてその年の秋。
この在来種が栽培されている地は江戸時代には「入野谷郷(いりのやごう)」と呼ばれ、戸隠、川上と並ぶ「信州三大そば名産地」であったことから「入野谷在来種」と命名。
伊那市内の自家製粉できるそば店で販売開始され、「昔のうまいそば」を皆様にも味わっていただけるようになりました。

入野谷在来種 提供店舗

「入野谷在来種」はその栽培方法、保存方法、水回しから打ち方・切りまで、まだまだ手探りの部分が多くあり、まさに「幻のそば」。通年での提供はまだ完全ではありません。店舗により対応も異なりますことご了承ください。
*ご来店前にご一報いただければ幸いです。

壱刻/長野県伊那市高遠町西高遠1696 (0265-94-2221)
華留運/長野県伊那市高遠町西高遠1621-1 (0265-94-4277)
こやぶ/長野県伊那市伊那市中央4498-6 (0265-72-0333)
こやぶ竹聲庵/長野県伊那市西箕輪6563 (0265-78-9966)
梅庵/長野県伊那市荒井7088-2 ( 0265-76-5534)
高遠そばますや/長野県伊那市高遠町東高遠1071 (0265-94-5123)
紅さくら/長野県伊那市高遠町東高遠1656-1 (0265-94-5580)
蕎麦きし野/長野県伊那市高遠町東高遠2226-1 (0265-97-1096)
*店名をクリックすると店舗情報へリンクします

入野谷在来種 玄そば購入について

【お問い合わせは】
高遠そば組合事務局(杉山)
電話:080-2226-3202
Meil:takato.sobakumiai@gmail.com

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