ENGLISH GUIDE

【登山ブログ】「南アルプスのへそ」塩見岳(7月初旬)

2022.7.15

日本百名山の一つに数えられる塩見岳。深田久弥氏が「漆黒の鉄兜」と評した名山です。山名の由来は「山頂から駿河湾が見える」「山麓の湧き水に塩分が含まれる」などの説があります。
塩見岳への主なアプローチは、大鹿村林道鳥倉線越路ゲートより3km先にある登山口から塩見小屋に続くルートと伊那市長谷杉島大黒沢登山口から塩見小屋に続くルートの2通りです。ここでは鳥倉ルートを利用した1泊2日(塩見小屋泊)の行程をご紹介します。

リンク:「大鹿村【山】登山道情報」 http://www.vill.ooshika.nagano.jp/2022/04/28/tozandou/
リンク:伊那市観光株式会社「塩見小屋」 https://www.ina-city-kankou.co.jp/yamagoya/shiomi/

※大黒沢登山口に続く林道は崩落により全面通行止めのため、塩見新道は進入できません。

鳥倉登山口から三伏峠

鳥倉登山口(1,790m)から明るいカラマツの樹林帯を登り、まずは約2km先の三伏峠を目指します。途中「ほとけの清水」と呼ばれる水場、長期通行止めとなっている塩川ルート合流点を通過し、登山口から約3時間で「日本一標高が高い峠」と言われる三伏峠(2,615m)に到着します。

三伏峠から本谷山経由で塩見小屋へ

三伏峠先の三伏山では、眼前には塩見岳や中央アルプスの山々が広がり、大パノラマを楽しむことができるスポットです。三伏山からは本谷山(2,658m)の鞍部まで下り、本谷山山頂を目指して登り返し。塩見小屋までの約2時間、立ち枯れ木が目立つ樹林帯を進みます。時折、木々の合間から目的地の塩見岳が顔を覗かせ、その山容がどんどん大きくなるにつれ、気持ちも高ぶっていきます。塩見新道との合流点を通過し、ハイマツ帯を進むと塩見小屋に到着です。
鳥倉登山口から塩見小屋までの登りのコースタイムは約7時間。早出早着を心掛け、遅くとも午後3時までには小屋に着くように行程を組みたいところ。チェックイン後は、小屋から見える夕景を楽しみながらしっかり体を休めて、翌日早朝に塩見岳山頂を目指します。

急峻な岩場が北面を覆う塩見岳山頂へ

2日目早朝、小屋から日の出を拝み、朝食を済ませて出発。ハイマツ帯を抜けると目の前には天狗岩と呼ばれる露岩帯が立ちはだかります。天狗岩から塩見岳西峰(3,047m)までは急峻な岩場が続くため、滑落・落石には細心の注意を払います。緊張感を持って歩を進めると山頂まであと少し。小屋を出発して1時間弱で塩見岳西峰に到着。最高点の塩見岳東峰(3,052m)と富士山とのセットは感動的で、特に富士山越しのご来光は圧巻の一言に尽きます。(この日は撮影できませんでした)

ゆっくり絶景を楽しんだ後は、往路と同じルートで下山を開始します。特に夏山は午後になると天気が崩れ、視界不良による道迷いや落雷による事故のリスクが高まるため、早めに下山したいところです。

下山ルートは、塩見岳東峰→塩見小屋→本谷山→三伏山→三伏峠小屋→塩川ルート合流点→鳥倉登山口で、コースタイムは約6時間。適宜水分補給などの休憩を挟み、ゆとりをもった行程で安全に登山を楽しみましょう。

花盛りの塩見岳

7月初旬に山頂周辺で撮影したライチョウ、可憐な高山植物をご紹介します。

登山は全て自己責任「万全な準備を」 (南ア北部遭対協からのお願い)

装備・経験・体力はもちろんのこと、登山する際は下記にもご留意ください。

・登山計画書を提出しましょう

長野県は登山計画書の提出が義務付けられています。登山計画書は迅速な遭難救助を行ううえで大変重要な情報です。出発前に必ず提出するとともに、家族や友人、職場の同僚のいずれかにも写しを渡してきましょう。ご家族からの救助要請の際、「長野の山に行ったらしい」ということだけでは、迅速な救助活動ができません。

・山岳保険に加入しましょう

遭難救助には費用がかかる場合があります。天候や場所、時間によっては捜索費 用が高額になることがあります。数百万円になることもありますので、山岳保険には必ず加入しましょう。スマホ等から安価で簡単に入れる保険もあります。加入の際は、「捜索救援費用」が含まれているものを選んでください。

・ビバークできる装備を持ちましょう

悪天候の場合は、ケガをして救助を要請してもヘリコプターは飛べません。夜間の場合は、救助隊の到着が翌朝になることもあります。不測の事態でも対応できるように、ツェルトや保温シートなど、ビバークできる装備を当然の装備として持ち歩きましょう。

注記:新型コロナウイルス感染症対策のため、救助活動について平常時よりも時 間を要します。

一覧へ戻る