南アルプス

甲斐駒ヶ岳

標高2,967m

【日本百名山】
甲斐駒ヶ岳は白く美しい花崗岩で形成され、頂上付近は夏でも雪と見間違う程に白く、特に東面から眺めた豪快な山貌は、比較的穏やかな南アルプス連峰の中では異色の存在です。山頂や登山道には祠や石碑があり、信仰登山の山であったことをしのばせます。
伊那側から見ると東側に位置することから地元では「東駒ヶ岳」とよばれています。

登山のポイント

・仙水峠から甲斐駒ヶ岳までの間は急登が続きます。
・駒津峰から山頂までの間は岩場での転倒、下山時は六方石までの間で道迷いが多いので注意が必要です。
・頂上からの下山時、黒戸尾根、鋸岳方面へは下らないよう、地図などで現在地と方角をこまめに確認しましょう。

仙丈ヶ岳

標高3,033m

【日本百名山】
3つのカールを抱えた優美な山容やお花畑が美しいことから「南アルプスの女王」と呼ばれています。
眺望のよい穏やかな稜線を歩くと、日本の標高1位から3位である富士山と北岳と間ノ岳を一望できる絶景が広がります。

登山のポイント

・仙丈ヶ岳から下山する際は丹渓新道や大仙丈ヶ岳方面への迷い込みに注意してください。
・稜線歩きが長くなるので日没や天候の急変に備え早めに行動しましょう。
・大滝頭から馬の背までの間は滑落に注意してください。
・夏でもビバーク（登山中緊急避難的に野外で一夜を過ごすこと）できる装備を持っていきましょう。

塩見岳

標高3,052ｍ

【日本百名山】
塩見岳は伊那市の最南端に位置し、名前の由来は山頂から海が見えることからつけられたという説があります。山頂からは南アルプス山域が眺望でき雄大そのもの。富士山が近くに見え絶景が楽しめます。

登山のポイント

・登りのコースタイムが8時間を超えますので、営業している山小屋に1泊するなど、ゆとりある計画を立てましょう。
・山頂付近の天狗岩から山頂までの間は、急峻な岩場が続きますので、落石や滑落に注意してください。
・午後になると山頂付近がガスで覆われて視界が悪くなりやすいため、早めの下山を心がけましょう。

鋸岳

標高2,685ｍ

【日本二百名山】
南アルプスの北端とされている見た目どおりの荒々しい岩峰で、標高2685メートルの第1高点などいくつかのピークを持つ。第1高点から甲斐駒ヶ岳方面に降りた小さなギャップ近くに、「鹿窓」と呼ばれる高さ3メートルほどの穴が開いており、晴れていれば南アルプス林道からでも見ることができます。
ある程度の岩登り技術が必要なため、上級者向けの山です。

登山のポイント

・岩登りやルートファインディング能力が必要な上級者向けコースです。
・甲斐駒ヶ岳経由のコースは途中に、六合目小屋が利用できますが、水場は遠く危険で、涸れることがあります。
・戸台河原からのコースはさらに岩登りの要素が強くなります。
・第1高点から第2高点までの間は南アルプスで最も危険な場所の1つですので、単独での入山は避けて慎重な行動をしてください。
・ヘルメット、ビバーク装備を携行しましょう。

栗沢山

標高2,714ｍ

早川尾根の最北端に位置する山で天然水のCMでも有名になりました。山頂からの眺望が素晴らしく、甲斐駒ヶ岳山頂とその下に見える「摩利支天」の絶景、さらには仙丈ヶ岳や北岳といった南アルプスの大パノラマを堪能できる展望台です。

栗沢山頂上からの景色

登山のポイント

・長衛小屋から樹林帯を登っていくコースは片道約2時間、仙水峠を経由するコースは片道約2時間半かかります。
・仙水峠周辺はゴロゴロした岩の道が続くので、靴底が硬めの登山靴のほうが歩きやすいでしょう。

北沢峠（林道）

標高2,032m

伊那市と山梨県南アルプス市との境界にある峠で、南アルプス林道バスの発着点です。甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳などへの登山口としてシーズン中は多くの登山客で賑わいます。

林道から見る新緑
紅葉のなかを走る林道バス
林道の秋

登山のポイント

・戸台口から北沢峠を片道約1時間で結ぶ林道バスは車窓からの景観が素晴らしく、谷深い南アルプスの渓谷美を堪能できます。
・二ホンカモシカやアサギマダラなどの蝶類、シナノコザクラなどの植物に出会えるかもしれません。
・林道トレッキングは、目の前に迫る鋸岳の岩肌や、甲斐駒ヶ岳などの地形や地質のダイナミックな姿を自分のペースで楽しめるので登山初心者にも安心。特に春の新緑（5月上旬）や秋の紅葉シーズン（10月中頃）の絶景はおススメです。