信州そば
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荒井区内の萱は「信州そば発祥の地」の伝説を残し、秘伝の味「行者(ギョウジャ)そば」が今に伝えられています。 奈良時代の初め、修験道の開祖役小角は修業のため信州に入り、小黒川をさかのぼって駒ヶ岳を目指しました。 途中、内の萱で村人たちに温かくもてなされた役小角は、お礼として蕎麦の実を置いていきました。 村人たちはこのそばを大切に育て、信州全体に広めたのです。 |
江戸時代の初め、高遠の殿様はことのほかそばが好きで「辛つゆ(大根おろしの汁に焼味噌を入れたつゆ)」で食べる内の萱の「行者そば」が大好物でした。それを聞いた近郷近在の人々は行者そばを食べようと内の萱におしかけ、大変な評判になってしまいました。 |
人々の求めに応じ切れなくなった内の萱では「西駒登山を修める者以外行者そばを食べることはできない」とし、 以後、行者そばは秘伝の味となりましたが、今ではいつでも内の萱で、また毎年 10月下旬に開かれる「行者そばまつり」で味わうことができます。 |
信州そば発祥の地・伊那市には手打ちそばのおいしい店が多く、各店に「辛つゆそば」「十割そば」があります。 一度ご賞味下さい。 |
高遠そばは、町内の飲食店関係者でつくる「高遠そばの会」のメンバーを中心に復活されました。 行者そばと同様に、麺つゆに辛味大根のおろしと焼き味噌を混ぜた「辛つゆ」に麺をつけて食べる、 いわゆる「辛つゆそば」と言われています。「高遠そば」と書かれた青い幟のお店で食べることができます。 |
ローメン
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マトンの肉と蒸した堅めの中華麺を独特のスープでキャベツなどと共に煮込んだローメンは、 地元のみならず伊那市を訪れる学生やビジネスマン・観光客からも好評をいただいている、 伊那市で古くから愛されている「ご当地グルメ」です。 |
名前の由来は、最初は炒肉麺(チャーローメン)といっていましたが、いつのまにか「炒」の文字が消え、 折しも「ラーメン」ブームもあり「ローメン」となったようです。 |
特長は蒸した麺とマトンとにんにくの渾然一体となった奥深い香り。麺は薄茶色で独特の香ばしさがあります。 |
現在、伊那市を中心に「ローメン」の看板を掲げている店は約90軒あるといわれ、スープ風・焼そば風等、 店によってバリエーションが楽しめるのがローメンの最大の魅力です。 |
また、家でもお手軽にローメンが食べられるように冷凍やインスタントのローメンが製造されるようになり、 みはらしファーム・市内のスーパー食料品店・中央道のサービスエリア等で販売されています。 |
最近では東京都内や埼玉県内でもローメンを提供している店もあります。 |
ソースかつ丼
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「かつ丼」に「ソースかつ丼」と「卵とじかつ丼」の2種類があることをご存知でしょうか。 ご当地伊那では、食堂でかつ丼というと「ソースかつ丼」の店が多く、 伊那のソースかつ丼は、ほかほかのご飯の上にシャキシャキのキャベツの千切りをのせ、 その上に各お店秘伝の特製ソースのタレにくぐらせた、 ボリューム満点の揚げたてのとんかつを盛り付けて出来上がりです。 |
丼ぶりのふたを開けた時、特製ソースの香りが食欲をそそります。 |
伊那伝統の味「ソースかつ丼」は、昭和21年に伊那町の中心市街地に開業した 飲食店の店主が始めたソースかつ丼(愛称「ひげのとんかつ」で当時有名)が人気となり、 伊那地域に広まって「伊那名物ソースかつ丼」として今日に至っています。 元祖とも云えるこのお店は、現在2代目の店主が伝統の味を守っています。 |
ソースかつ丼のルーツは、大正時代早稲田大学の学生が早稲田鶴巻町にあった 「ヨーロッパ軒」(現在は福井市内にて営業)で、丼ぶりご飯の上にカツをのせ ソースをかけたのが始まりといわれています。 |
スイーツ
高遠藩主の御用菓子として天正年間から伝わる伝統の「高遠まん頭」をはじめ、
和菓子も洋菓子も、伊那市ならではの季節感あふれるおいしい銘菓があります。
またデザートが魅力の飲食店、居心地の良いカフェなど、
伊那市にきたらぜひ立ち寄りたい人気のスイーツ店をご紹介します。
馬肉料理
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定番の馬刺し・おたぐり |
伊那谷では昔から馬肉料理に親しんでいました。 信州で馬肉を食べる習慣は伊那がはじまりで、中でも「馬刺」と「おたぐり」が代表的です。 |
◆馬刺は、おろししょうがと醤油で食べる刺身。とろっとした舌触りは、一度食べたら忘れられないおいしさです。 ◆「おたぐり」は、馬のモツを味噌でじっくりと煮込んだ料理で、辛党にはこたえられない味わいです。 |
酒のつまみとして、市内の多くの居酒屋で出してもらえるほか、各家庭で独特の味を伝えている郷土料理です。 「おたぐり」の名は一説に、長い腸の中身を絞り出すためにたぐっていく動作からといわれています。 最近は馬のモツが入手しにくくなり、豚のモツでも作られます。 |
三大珍味
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伊那では古くから様々な物を食してきました。 中でもざざ虫、伊那子、蜂の子は伊那の三大珍味です。 ざざ虫は天竜川の浅瀬に住むカワゲラ、カワトビケラなどの幼虫です。 12月から2月まで、四つ手網を用いて行うざざ虫漁は天竜川の冬の風物詩です。 伊那子(いなご)は秋。つい最近までは、実った稲田の畦に袋を手にしたイナゴ取りの子供たちが見られたものでした。 蜂の子は夏から初秋にかけて大きくなった蜂の巣を捜す「スガレ追い」の後おいしい蜂の子を口にする、 伊那の人々の一挙両得の楽しみといえます。 どれもいったん味を覚えると、酒の肴によし、ご飯のおかずによしの忘れられない味となります。 |
伝統食
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かつて伊那谷を中心に広く栽培されていた羽広菜ですが、 近年「羽広菜生産加工組合」ができ「羽広菜のかぶ漬」を中心に伝統的漬物の販売が始まりました。羽広かぶはやわらかく甘みがあり、 しゃきっとした歯ざわりで、酒粕・味噌・砂糖・塩などで昔ながらの味においしく漬け込まれています。「七色漬」は七種類の野菜の漬物を、勘太郎月夜唄の「伊那は七谷…」 にちなんで命名したもの。 「行者にんにく」は昔々、修験道を極める行者がその精力を強め、神通力を得るために食したという山の中の不思議な植物です。最近横山地区に生産組合ができ、人工栽培の研究が進んでいます。行者が食べた不思議な山菜が、山の中に分け入らずとも入手できるようになりそうです。その他、きのこ・山菜なども豊富で、季節になると各地の農産物直売所で手に入れることができます。 |